第70回 箱根大名行列

箱根大名行列は、毎年11月3日の文化の日に、小田原藩の格式にならって行われる、伝統行事です。行列は、露払いの掛け声とともに、江戸時代の小田原藩の武士たちが身にまとった、威風堂々と旧街道や湯本の温泉街を練り歩きます。特に、大名役の武士が身にまとった、金糸銀糸が織り込まれた黒紋付や羽織袴などの陣羽織は、豪華絢爛な装飾が施されており、圧巻の迫力です。家臣たちが身にまとった、鮮やかな色合いの裃や陣笠も、威厳に満ちた姿を印象づけます。駕籠は、大名の威厳と権力を象徴するものであり、その豪華さは、大名の地位の高さを物語っています。奥女中役の衣装は、華やかな色合いの着物や髪飾りが、可愛らしい印象を与えます。また、家臣役の衣装も、甲冑や刀、毛槍や弓、鉄砲などの武具や、長持や駕篭などの道具も用いられ、江戸時代の参勤交代を彷彿とさせる、貴重な歴史的風景を体感することができます。

行列のコースには、箱根神社や早雲寺などの歴史的建造物が含まれ、箱根の歴史と文化をより深く理解することができます。行列では、様々な演舞が披露されます。中でも、大名の駕籠を乗せた武士たちが威勢よく行進する「駕籠行列」は、大名の格式を示す「御簾（みす）」が掲げられます。武士たちは、槍や刀などの武具を身につけて、駕籠を護衛します。また、槍術や剣術などの武芸を披露する「武芸演舞」も見どころです。槍術では、槍を巧みに操る武士たちの姿を見ることができます。剣術では、刀を華麗に舞う武士たちの姿を見ることができます。箱根大名行列は、迫力満点の演舞と、紅葉の美しい景色を楽しめる、おすすめのイベントです。ぜひ一度、箱根を訪れて、箱根大名行列を体験してみてはいかがでしょうか。